はじめに
NHK・BSで『煙はるかに』と題する世界の蒸機機関車を紹介する番組があったらしい。ある晩私は深夜に帰宅しTVのスイッチを入れると、偶々この番組のミャンマー編に遭遇した。本人は見ているつもりだが翌日起きてみると記憶はさっぱりである。しかし私はミャンマーに行くことに決めた。ANAのマイレージ特典を利用してバンコックまで行き、そこからヤンゴンに飛べば良い。バンコックにいる娘に連絡をとると、知り合いの日本人旅行社を利用して蒸機機関車の情報を集めてくれた。だがどうも違うようだ。と娘に言うと娘は『NHKのウェブサイトで調べてみて』という。早速それらしい窓口にメールを送ると返事がきた。いわく『数日後のBSで再放送致しますのでご覧下さい』とある。なんと言うタイミングの良さだ。今度こそはとその番組を見て行き先を決めた。途中経過は色々あったが、実際の行程は次のようなものであった。
ミャンマーの印象を一言で言うのは困難だが、思っていたよりずーっと明るい国だ。現地のガイ ド氏が好青年であったことも影響していると思うが、行く先々で私は暖かい人間関係を持てたし、 そこで困った思いをしたことがなかった。国民全体はまだ貧しい状態なのだろうが、何となく清潔 で表情も穏やかであったし、ヴェトナムで見かけた敵意のある目や、プノンペンで見えた殺意の消 えぬ顔つきとは全く縁のない人々の姿であった。どこに軍事政権があるのだろうと疑いたくなるほ どのおおらかさが人々には支配的だったように思う。機会があれば是非もう一度行きたい、 というより未完成な部分を埋めるためにも行かねばならぬのか、と思わせる国である。