ストロベリー☆ジャム



「ん」

ゾロに突き出されたものは両手におさまるくらいのポット。
そのポットからは可愛らしいイチゴがちょこちょこと生えている。

「どうしたこれ…」
「てめぇにやる」
「ありがてぇけど…やるって言われてもよ?貰う理由なんてねぇじゃん」
「美味そうだったから買っただけだぞ。それで苺の甘ったりいやつでも作りゃいい」
「あ、そ」

ちぇーっ。
なんだ、オレの誕生日プレゼントじゃないのか。
そうは思っても、誰かにプレゼントするなんて甲斐性のなさそうなゾロから貰ったものというだけでも嬉しい。
実は3月2日はオレの誕生日だった。
だったというのは、もう数日前に誕生日はとっくに過ぎてしまっているし、誰にも教えていないから誕生日だと気付かれたわけではないけれども…。

「で?剣豪様は只今ストロベリージャムをご所望で?」
「なんだそりゃ?」
「や、だからてめぇ曰く、イチゴの甘ったりぃやつ?」
「いらん」

もしかして、食べたいから買って寄越した…と思ったんだが。

「食いたくねぇの?」
「甘ったりぃのは好かねぇ」

まー甘い物は元々食うほうじゃねぇし、ジャムをパンにつけて食べるなんて洒落た朝食をするわけでもねぇしなー。

「だな、このポットだけじゃ、ジャムにするったって量が全然足りねぇし」
「…足りない、のか?」

オレに分かる程度、ちょいと眉を顰める。
食わねぇって言ったくせにジャムに未練はあるのか?

「んー煮詰めるから結構少なくなるぞ?」
「なら、そのベリーなんとかは作らねぇでとっとと食え」

おやぁ?

「…一緒に食うか?」
「てめぇにやったんだ、てめぇが食え」

そういうゾロの顔がほんのり赤い気がする。

「…なぁ、ゾロ。これなんでオレに買って寄越した?」

ぷち、と一粒取り、唇に寄せる。
甘酸っぱい香り。

「美味そうだったから」
「うまそうだったから、それだけか?」
「…てめぇ朝に苺の甘ったりいやつパンに塗って食うだろ?」
「食うな」
「てめぇ、こーゆーの好きそうだし…幸せそうに食ってるから、それが見たかったんだよ!!」
「なんで?」
「ぅ…」
「他に言うことは?」
「無ぇっ!!!」
「ほんとに?」
「てめぇが好きだからだ!悪ぃか!!!」
「えっ」

ポットは大事に抱えていたから落とさなかったものの。
摘み取ったいちごはオレの手から滑り落ちていた。

「…勿体無ぇ」

それをゾロはひょいと拾うと口にしてしまった。

「あっ!オレのイチゴ!!!」
「てめぇ、さっき俺に食うか?って勧めただろうが」
「いらねぇって言ったじゃんか!」

ぎゃんぎゃん騒ぎ出すオレ等はいつも通りだ。
ちょっと遅れたけど、2日がオレの誕生日だったってコイツに言ったらどんな面するかな?
ついでにすげぇ誕生日プレゼントを貰ってしまったことも。






RED SIGNALの嵯峨さんから、サン誕とリンク祝いにいただきました!
ああありがとうございます!!
可愛い二人にほわっとしますv