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 2chエロゲネタ&業界板 ベストエロゲー投票について(20090126)

 ・はじめに(↓)
 ・過去の投票結果(↓)
 ・加点状況について(↓)
 ・部門評価点について(↓)
 ・投票者層について(↓)
 ・他作品との結びつき(↓)
 ・感想および謝辞(↓)
 ・データについて(↓)





 リンク:2chエロゲネタ&業界板 ベストエロゲー投票

 こんな企画があったそうで。これまで私は2ch/bbspinkに対してはノータッチの立場を維持してきましたが、上記サイトで公開されている投票結果のデータはたいへん興味深く思われましたし、また「集計結果の転用(Excel等)及び改変も自由です」とありますので、試しにデータをいろいろさわってみます。ただし、この企画全体あるいは投票結果全体についてなにかを言うつもりは無く、例によってソフトハウスキャラに焦点を当てるかたちで、投票結果を吟味してみます。

 なお、以下の検討で用いているデータは、別掲ファイル「votes2008.zip」(約36KB)にまとめてあります。データおよび計算方法について詳しく知りたい方は、あるいはご自分で(再)計算したいという方は、これらの表計算データを自分で操作されるのが最も確実です。しかしそれでは閲覧者にとって面倒だと思いますので、以下、htmlでのテーブル表示とあわせて私なりのコメントをいろいろ書き出していきます。





 2003年分(2003年発売作品を対象として2004年に実施された投票企画)から2007年分(2007年作品に対する2008年の投票企画)までの投票結果も上記サイトで公開されていますので、まずはそちらを見てみます(表1)。

 表1:「過去の投票でのソフトハウスキャラ作品の評価」
2003年『LEVEL JUSTICE』が44位(40票)、『ブラウン通り三番目』が127位(7票)だったようです(※得点制集計による)。『LJ』が、派手ではないけれど、まずまずの認知及び評価を得られたようです。
2004年『巣作りドラゴン』が4位(158票)(※配点制による)。なんだかものすごく評価を上げています。でも、けっしてフロックではないと思いたいところです。
2005年『Dancing Crazies』:54位(9票)、『南国ドミニオン』:75位(5票)(※配点制による)。埋もれました。
2006年『グリンスヴァールの森の中』:26位(28票)(※配点制による)。中堅どころの出来としてまずまずの評価を受けたようです。『LEVEL JUSTICE』と同じくらいでしょうか。
2007年『王賊』:20位(46点)(※加点制による)。ベスト20に入りました。要素評価では、「システム/ゲーム性」部門で3位です。システム1位が『明日君』だというのも驚きです。
2008年『Wizard's Climber』:7位(110点)(※加点制による)。要素評価では、「ゲーム性」部門で1位でした。え? ほんと?

 なお、年毎に投票システムや総投票数が変化しているので、得票数そのものを比較することは無意味と思われます。たとえば、2003年に40票を獲得した『LEVEL JUSTICE』(44位)が、2006年に28票を獲得した『グリンスヴァールの森の中』(26位)よりも評価が上だとは言えないということです。
※――後日追記:2003年作品から2007年作品までの投票結果については、別ページで検討しました。





 さて、2008年作品に関する今回の投票について。制度の概要や投票方式の説明については上記サイトに委ねるとして、ここでは「『Wizard's Climber』はどのように評価されたのか」、そして「『Wizard's Climber』に投票したユーザーたちは、どのような層なのか」に焦点を当ててみようかと思います。

『Wizard's Climber』に投票したのは521人中77人。投票者全体の約14.7%です。内訳は、
3点投票した人3人4%
2点投票した人27人35%
1点投票した人47人61%
ちなみに投票全体の加点率は、投票された項目2401個のうち、
3点投票した人375人16%
2点投票した人691人29%
1点投票した人1335人56%
といった具合。加点に関しては『Wizard's』は少なかったようです。投票者521人の中で、《『Wizard's』が今年のベストだと強く主張する人(3点投票の人)はわずかだったけれど、しかし比較的高い満足を得られた人(2点投票の人)はそれなりに多く、そして少なくとも77人(投票者全体の中の約14%)は今年のベスト6に入る出来だったと考えている》、ということでしょうか。

 各作品の加点状況をリストにすると、以下のようになります(表2)。

 表2:「各作品の加点状況(加点制得票順位順)」
タイトル得点得票3点票2点票1点票3点票率2点票率1点票率加点率
スマガ26811755412147.0%35.0%17.9%129.1%
G線上の魔王26213742415430.7%29.9%39.4%91.2%
るいは智を呼ぶ2099843253043.9%25.5%30.6%113.3%
コンチェルトノート2638521362824.7%42.4%32.9%91.2%
リトルバスターズEX1567924292630.4%36.7%32.9%97.5%
超昂閃忍ハルカ115788214910.3%26.9%62.8%47.4%
ウィザーズクライマー11077327473.9%35.1%61.0%42.9%
さくらシュトラッセ1087112134616.9%18.3%64.8%52.1%
漆黒のシャルノス1055318161934.0%30.2%35.8%98.1%
FORTUNE ARTERIAL9266516457.6%24.2%68.2%39.4%
霞外籠逗留記894116151138.1%35.7%26.2%111.9%
Princess Frontier854611171823.9%37.0%39.1%84.8%
プリマ☆ステラ8458516378.6%27.6%63.8%44.9%
Maple Colors 283459201620.0%44.4%35.6%84.4%
戦女神ZERO8047327176.4%57.4%36.2%70.2%
真・恋姫†無双7954319325.6%35.2%59.3%46.3%
闘神都市III756039485.0%15.0%80.0%25.0%
11 eyes69447112615.9%25.0%59.1%56.8%
とっぱら6144213294.6%29.5%65.9%38.6%
クロノベルト59375122013.5%32.4%54.1%59.5%
ティンクル☆くるせいだーす5837692216.2%24.3%59.5%56.7%
天ツ風56307121123.3%40.0%36.7%86.7%
暁の護衛513928295.1%20.5%74.4%30.8%
ef - the latter tale.5033572115.2%21.2%63.6%51.5%
借金姉妹24833211206.1%33.3%60.6%45.5%
てとてトライオン!453328236.1%24.2%69.7%36.4%
殻ノ少女453229216.3%28.1%65.6%40.6%
彼女×彼女×彼女423317253.0%21.2%75.8%27.3%
BackStage4224312912.5%50.0%37.5%75.0%
かみぱに!4028361910.7%21.4%67.9%42.9%
上位30作品の平均94.355.310.917.127.319.8%30.9%49.3%62.8%
全体平均18.711.71.83.46.515.6%28.8%55.6%60.0%
※――「タイトル」は、加点制得票順位上位30作品。配列は、加点制得点降順。「得票」は、得票制の総得票数。加点制の総得点数ではない。「3点票」「2点票」「1点票」は、それぞれの加点で投じられた「票」の数(――「加点」の値ではない)。その右は、得票全体の中でそれぞれの加点投票が占める割合。「加点率」は、非加点得点に対する加点得点の割合を示したもの。それぞれの列で値が特に高い部分は太字で、低いものは背景色変更で、それぞれ識別した。「上位30作品の平均」および「全体平均」は、各作品の値の平均ではなく当該投票内容全体の平均。

 見てのとおり、『Wizard's』は特徴的な加点分布を示しています。比較的似ている加点分布の作品には『真・恋姫†無双』『借金姉妹2』『とっぱら』『殻ノ少女』があり、この加点分布は一点特化型作品の特徴であったようです(――つまり『真・恋姫』『借金2』『とっぱら』は萌え特化型、『殻』は凄惨美の評価、そして『Wiazrd's』はゲーム性に特化しているという意味で)。
 また、『Wizard's』は総合的な加点率もやはり低く、つまり「突出して素晴らしい」とまでは見做されていないのが判ります。「1点票」のみで集計すると総合4位に上がってしまうほどですし、他方で「3点票」は極端な少なさを示しています。3点票の割合は上位30作品の中では『彼女×彼女×彼女』につづく低水準ですし、3点票のみで集計すると総合21位にまで順位が下がります。これについてはいろいろな事情を想像することができます。たとえば『Wizard's』の主人公ラズロックは終始セリスの教師役であり、みずからヒロイックな活躍をするわけではありません。また作品全体の傾向としてもコント志向が強く、劇的な感動を与える種類のものではありません。そのような作品に対して熱狂的な絶賛(=3点票)が向けられないのは、むしろ自然なことでしょう。
 なお、上の一覧には表れていないことですが、『Wizard's』に投票した人の平均を見ると、加点率は全体平均をわずかに下回ります。全体平均が加点率+60.0%であるのに対して、『Wizard's』投票者の平均は+53.7%。さらに『Wizard's』投票者から『Wizard's』への票のみを除外した平均は+56.3%です。つまり『Wizard's』投票者は総じて加点投票が控えめであったと言え、そしてこの投票傾向が『Wizard's』の加点得票にも影響していたと見る余地があります。





 部門評価点についても概観しておきます。『Wizard's Climber』への評価点は表3Aのとおり。

 表3A:「『Wizard's Climber』の獲得評価点」
 全体
獲得評価点数9611652369
評価点配分率125%1%21%6%3%4%90%
評価点数の部門別順位10位56位20位36位27位28位1位

 P部門が高いのは自然なことでしょうが、C部門評価もそれなりに受けています。G部門及びM部門の低さは意外でした。Angel NoteのBGMも畑 亜貴氏作詞作曲による主題歌も美峰の背景美術も業界一流の品質だと思うのですが、それだけではなかなか評価されないということでしょうか。
 もう一つ特徴的なのは、評価点を付けられた比率です。本作の評価点付与率(96個/77票=1.25倍)は、今回の投票全体の中ではきわめて低い水準です。本作のほかに上位50作品の中で1.3倍を下回っているのは『3Dカスタム』(1.19倍)と『さかここ』(1.25倍)くらいのもので、逆に『明日の七海』(1.92倍)、『るい智』(1.84倍)、『Garden』(1.83倍)、『シャルノス』(1.83倍)などは、ほとんどの票が評価点を2個ずつ与えています。こうしてみると『Wizard's』は、ゲーム性に関しては最高水準の評価を受けているけれど、それ以外についてはほとんど評価されていない(、あるいは期待されていない、あるいは注目されていない)という傾向が見て取れます。評価点率は、いわばその作品の「見どころの多さ」の指標になるので、この値が低いのは(残念ながら)望ましいことではありません。すでに表2)で見たように、得点加点もかなり控えめであったことを考慮すると、結局のところ『Wizard's』は《「ゲーム性」の一点突破的な訴求力はあり、総合的な品質も満足できるものだが、必ずしも飛び抜けた魅力を持っているわけではない》と見做されているようです。
※――なお、一作品あたり評価点を2個までしか与えられない投票制度だったようなので、各項目が独立に評価投票されたわけではないという点を考慮する必要があります。要するに、たとえば作品Aと作品Bがグラフィクスの出来については同等であったとしても、作品Aはシナリオと音楽がさらに優れていたという場合には、作品AのG評価点はS部門とM部門に吸い取られてしまい、結果としてG評価点に関しては作品Aよりも作品Bの方が上回るということが十分あり得るわけです。
 また他方で、そもそも作品投票に付随しての部門投票というシステムに由来するバイアスもあります。たとえば作品Cの音楽がとても素晴らしいとしても、投票者にとってその作品全体としてベスト6に値しないと見做された場合には、作品Cに対するM部門評価点はこの投票には現れてきません。

 各部門毎の評価点数順位は上記サイトのテーブルをソートすればすぐに算出できるので省略しますが、少しだけ手を加えて、評価点配分状況を並べてみます(表3B)。各作品の中で、評価点がどのように配分されているかの比率です。『Wizard's』のC部門21%というのが、全体の中では低めの水準だということが見て取れます。なお、『Wizard's』以外では、『闘神III』がユニークです。6部門すべてで10%以上の評価点率があるのは『闘神III』だけです。

 表3B:「各作品の評価点配分率(加点制得票順位順)」
タイトル得票S率C率G率M率H率P率評価点率
スマガ11788%23%20%38%5%3%176%
G線上の魔王13788%21%16%31%1%4%162%
るいは智を呼ぶ9890%79%12%2%0%0%184%
コンチェルトノート8577%65%2%8%0%21%172%
リトルバスターズEX7971%61%3%33%0%9%176%
超昂閃忍ハルカ780%17%28%5%94%6%150%
ウィザーズクライマー771%21%6%3%4%90%125%
さくらシュトラッセ7114%68%69%17%0%0%168%
漆黒のシャルノス5381%32%25%43%2%0%183%
FORTUNE ARTERIAL6620%59%62%12%5%3%160%
霞外籠逗留記4298%17%26%26%5%5%176%
Princess Frontier4635%89%34%4%4%0%167%
プリマ☆ステラ5835%26%17%3%83%0%163%
Maple Colors 24524%87%40%0%0%27%177%
戦女神ZERO4732%6%6%2%11%89%147%
真・恋姫†無双5419%89%2%7%26%4%146%
闘神都市III6010%18%25%22%18%60%153%
11 eyes4436%36%46%59%0%2%179%
とっぱら4411%89%27%5%0%0%132%
クロノベルト3776%68%16%11%0%0%170%
ティンクル☆くるせいだーす373%30%24%16%0%76%149%
ef - the latter tale.3358%3%79%36%3%3%182%
彼女×彼女×彼女330%3%58%0%97%0%158%
殻ノ少女3228%6%63%59%0%9%166%
天ツ風3013%0%47%23%17%77%177%
Garden2438%58%38%50%0%0%183%
こっすこす!220%46%9%5%91%14%164%
ヨスガノソラ215%62%71%5%14%0%157%
タユタマ1911%63%73%0%5%0%152%
朝凪のアクアノーツ1493%43%0%21%7%0%164%
明日の七海と逢うために1315%92%69%15%0%0%192%
ダンジョンクルセイダーズ2130%23%46%8%0%100%177%
水平線まで何マイル?1217%17%83%25%0%0%142%
美脚性奴会長 亜衣90%0%22%0%100%0%122%
SWAN SONG -廉価版-8100%0%0%50%0%0%150%
キラ☆キラ -カーテンコール-70%14%0%86%0%0%100%
君が呼ぶ、メギドの丘で60%17%17%17%0%100%150%
新妻イカせてミルク!60%16%16%0%100%0%133%
戦極姫617%50%0%0%17%83%167%
学園催眠隷奴60%17%17%0%100%0%133%
リトルウィッチロマネスク e.p.50%20%80%0%0%80%180%
5 -ファイブ-560%20%20%80%0%0%180%
全体平均11.737.2%45.0%27.0%15.2%20.7%13.9%159%
※――「タイトル」は、加点制得票順位上位20作品と、いずれかの項目で上位5位に入った作品を挙げている(――総得票数5以上の作品に限定している)。配列は、加点制得点降順。「得票」は、(得票制の)総得票数。加点制総得点数ではない。各部門の評価点率は、各部門評価点を総得票数で除算したもの。評価点の中での配分率ではなく、それゆえ総和が100%を超え得る。部門評価点の得票数が上位5位に入った項目は太字で、配分率が上位5位に入った項目は背景色金色で、それぞれ識別した。他方で背景色薄地は、評価点率の低いもの。

 なお、『Wizard's』投票者の中での評価点分布は以下のとおりでした(表3C)。

 表3C:「『Wizard's Climber』投票者の評価点配分率」
集合(母集団)評価点率
全体平均37.2%45.0%27.0%15.2%20.7%13.9%159%
全体平均(『Wizard's』投票者を除く)40.4%46.6%28.3%16.5%22.1%7.9%162%
全体平均(『Wizard's』のみを除く)38.4%45.8%27.7%15.7%21.3%11.4%160%
『Wizard's』投票者平均28.7%42.1%24.4%11.6%17.6%28.5%153%
『Wizard's』投票者平均(『Wizard's』のみを除く)35.3%47.2%28.8%13.8%20.9%13.8%160%
『Wiazrd's』単体1.3%20.8%6.5%2.6%3.9%89.6%125%
※――「全体平均」は、全ての票の全ての評価点の平均。「全体平均(『Wizard's』投票者を除く)」は、投票全体から『Wizard's』への投票者の投票内容全体を除外した平均。「全体平均(『Wizard's』のみを除く)」は、投票全体から『Wizard's』への評価点のみを除外した平均。「『Wizard's』投票者平均」は、『Wiazrd's』に投票した人たちの中での、全ての評価点の平均。「『Wizard's』投票者平均(『Wizard's』のみを除く)」は、そこから『Wizard's』への評価点のみを除外した平均。

 さしあたり、「全体平均(『Wizard's』のみを除く)」と「『Wizard's』投票者平均(『Wizard's』のみを除く)」を基軸に比較検討してみます。S部門に関しては、『Wizard's』投票者の平均は全体平均よりもかなり低くなっています。『Wizard's』自身を除いた票の平均でみても全体平均を下回っているので、そもそもPCゲーム全般に対してシナリオ要素をそれほど要求するわけではないという方が比較的多いのだろうと思われます。C部門については、「『Wizard's』投票者(全体)」は平均以下ですが、「『Wizard's』投票者(『Wizard's』自身を除く)」だとむしろ平均を上回っています。『Wizard's』単体の評価はともかくとして、やはりキャラクター性はふつうに重視しているようです。G部門(グラフィクスおよび演出)とH部門も、『Wizard's』単体を別とすればおおむね標準的な数字です。しかしM部門(音響関係)は、あきらかに全体平均を下回る結果になっています。音響面はあまり注目されていないようです。最後にP部門は、「『Wizard's』投票者(全体)」では突出して高い数字が出ており、『Wizard's』を含まない場合でも「全体平均(『Wizard's』のみを除く)」を上回っています。それどころか、P部門に関しては、『Wizard's』投票者77人によるP部門への評価点投票数113点は、全投票者521人によるP部門への総評価点数334点の三分の一を占めています。結局のところ、『Wizard's』投票者は、『Wizard's』以外の作品についてもゲーム性に期待する方が比較的多い、あるいは、ゲーム性に期待するプレイヤーから『Wizard's』は強い注目を受けている、ということなのでしょう。
 なお、『Wizard's』以外の作品に対しては、平均どおりの密度で評価点が付けられています。つまり、『Wizard's』に対する評価点数の少なさはあくまで『Wizard's』固有の事情に基づくものであって、投票者の性格等に由来するものではないと考えることができます。





 『Wizard's Climber』に投票した人(つまり上記77人)について。その年の消化本数と戦歴(PCゲームのプレイ年数)のそれぞれを、投票者全体と対照して一覧にすると、内訳は以下のとおり(表4A/4B)。

 表4A:「投票者の消化本数」

投票者全体『Wiz』投票者
人数割合人数割合
61〜30.6%00%
〜6051.0%11.3%
〜5091.7%22.6%
〜3940.8%11.3%
〜3671.3%11.3%
〜33112.1%33.9%
〜30183.5%11.3%
〜27285.4%33.9%
〜24295.6%45.2%
〜215210.0%1012.3%
〜18468.8%810.3%
〜156211.9%1519.5%
〜1210820.7%1418.2%
〜95510.6%79.1%
〜6214.0%11.3%
〜3 51.0%00%
無記5811.1%79.1%
全体521100%77100%









 表4B:「投票者の経験年数」

投票者全体『Wiz』投票者
人数割合人数割合
2220.4%11.3%
210000
2030.6%00
1930.6%00
1820.4%00
1730.6%00
1630.6%11.3%
1571.3%11.3%
14152.9%45.1%
1371.3%11.3%
12214.0%56.4%
11163.1%11.3%
10346.5%810.3%
9285.4%79.1%
8519.8%56.4%
7448.4%911.7%
6479.0%1114.3%
55510.6%1013.0%
4489.2%79.1%
3387.3%33.9%
2326.1%00
~181.5%00
無記5410.4%45.1%
全体521100%77100%
※――年数については端数切り捨て。例えば2.5年は2年に含める。本数と年数のそれぞれについて8.0%以上の欄を太字処理している(――ただし「無記」欄は除く)。

 『Wizard's Climber』に投票した人(つまり上記77人)の、2008年発売作品の消化本数平均は17.7本。全体平均17.5とほぼ同じです(――中央値はどちらも15本。最頻値は、投票者全体では10本[9.6%]。『Wizard's』投票者では13本プレイした人が最も多く[10.4%]、つづいて10本の方々[9.1%])。特別に「濃い」人が多いというわけではなさそうです。分布状況もおおむね同じですが、投票者全体と比べて、消化本数6本以下の層が少なめで、逆に13〜15本のところがやや高くなっています。つまり、新作を10本以上プレイするような層に受けているということで、裏を返せばファーストチョイスにはなりにくく、ライト層はあまり買わない(あるいは評価しない)ということかもしれません。
 他方で「戦歴」(ゲーマー年数)を見ると、平均8.0年。全体平均7.2年を大きく上回っています(――中央値はどちらも7年)。さらに内訳を見ると、最大22年、最小3年。3年未満が一人もいないのは意外です。全投票者の中で、3年未満を申告している投票者は40人(年数を申告している467人の8.6%)もいるのですから、これはかなり特徴的な現象かと思われます(――同じ傾向は『シャルノス』『霞外籠』にも見られます。逆に『暁』は投票者の18.0%が、『コンチェルト』は14.1%が、戦歴3年未満です)。最も分厚いのは中程度の層で、6年目(15.5%)を頂点に、5年目(13.7%)、7年目(12.3%)、10年目(11.0%)が多数を占めています。この点でもやはり、《初心者がいきなり購入するようなものではないけれど、PCゲームについて何年かの経験を積んできた層はキャラ社作品を比較的好んでプレイしている》という傾向があるようです。さらに、11年目以上の層にも20%近くの投票者がおり、ブランド自体が息の長い愛され方をしているのが見て取れます(――ちなみにソフトハウスキャラのデビュー作『葵屋まっしぐら』は2000年2月発売なので、ブランドの存続年数としては2008年末時点で8年目です)。
 要するに、ライト層(:のめり込み具合の点でも経験年数の点でも)は『Wizard's』をあまり買わず、あるいは買ってもあまり高く評価していませんが、PCゲームを一定程度遊び慣れてきたプレイヤーにとっては、かなり魅力的に映るし、そして面白いと感じるようになる、ということのようです。
余談ながら、投票者全体の構成を見ると、12/13年目あたりでプレイヤー人口が極端に乏しくいるのが見て取れます。仮に18歳から始めたとして12年経過すると30歳。人生の最も多忙な時期に、それまでの娯楽から離れていくというのは、たしかにありそうなことと思われます。ちなみに、2009年現在から遡って12年前(1997年)といえば、『To Heart』と『Piaキャロ2』の時代に当たります。

 作品毎に投票者の消化本数および戦歴の平均を並べてみると、以下のようになります(表5A)。

 表5A:「各作品の投票者層(加点制得票順位順)」
タイトル人数本数年数 備考
スマガ11720.37.4 M1位。S2位。
G線上の魔王13714.25.6 S1位。M2位。
るいは智を呼ぶ9816.66.5 C1位。S3位。
コンチェルトノート8518.56.6 S4位。C2位。
リトルバスターズEX7916.36.5 S5位。C3位。M3位。
超昂閃忍ハルカ7816.37.5 H1位。
ウィザーズクライマー7717.78.0 P1位。
さくらシュトラッセ7117.06.3 G1位。C3位。
漆黒のシャルノス5316.77.0 
FORTUNE ARTERIAL6617.06.9 G2位。
霞外籠逗留記4219.67.9 
Princess Frontier4620.88.3 
プリマ☆ステラ5819.07.1 H2位。
Maple Colors 24523.78.0 
戦女神ZERO4720.38.2 P2位。
真・恋姫†無双5420.17.7 C3位。
闘神都市III6018.57.5 P3位。
11 eyes4416.36.2 M3位。
とっぱら4418.67.7 
クロノベルト3725.17.0 
ティンクル☆くるせいだーす3718.08.0 
天ツ風3022.18.3 
暁の護衛3917.25.5 
ef - the latter tale.3318.17.3 G3位。
借金姉妹23321.29.3 
てとてトライオン!3318.49.3 
殻ノ少女3216.66.9 
彼女×彼女×彼女3318.88.6 H3位。
BackStage2423.59.2 
かみぱに!2818.76.1 
 〜
さかあがりハリケーン2818.06.4 
朝凪のアクアノーツ1424.28.6 
3Dカスタム少女1616.010.0 
姦染3 -首都崩壊-1023.99.4 
明日の七海と逢うために1319.010.1 
水平線まで何マイル?1317.56.3 
全体平均11.717.57.2 
※――挙げている「タイトル」は、得票制での上位30作品と、中位作品の中で特徴的なものをいくつか。配列は、加点制総合順位による。「人数」は、その作品に投票した人数(――得票制得票数と同じ値)。平均消化本数20本以上および平均年数7.8年以上のものを太字で、また平均消化本数16.4本以下および平均年数6.6年以下のものを背景色変更で、それぞれ識別した。

 同じデータを経験年数順に並べ替えると、以下のようになります(表5B)。

 表5B:「各作品の投票者層(平均年数順)」
タイトル人数本数年数 備考
明日の七海と逢うために1319.010.1 
3Dカスタム少女1616.010.0 
姦染3 -首都崩壊-1023.99.4 
借金姉妹23321.29.3 
てとてトライオン!3318.49.3 
BackStage2423.59.2 
彼女×彼女×彼女3318.88.6 H3位。
朝凪のアクアノーツ1424.28.6 
戦女神ZERO4720.38.2 P2位。
Princess Frontier4620.88.3 
天ツ風3022.18.3 
ウィザーズクライマー7717.78.0 P1位。
Maple Colors 24523.78.0 
ティンクル☆くるせいだーす3718.08.0 
霞外籠逗留記4219.67.9 
真・恋姫†無双5420.17.7 C3位。
とっぱら4418.67.7 
超昂閃忍ハルカ7816.37.5 H1位。
闘神都市III6018.57.5 P3位。
スマガ11720.37.4 M1位。S2位。
ef - the latter tale.3318.17.3 G3位。
プリマ☆ステラ5819.07.1 H2位。
クロノベルト3725.17.0 
FORTUNE ARTERIAL6617.06.9 G2位。
漆黒のシャルノス5316.77.0 
殻ノ少女3216.66.9 
コンチェルトノート8518.56.6 S4位。C2位。
るいは智を呼ぶ9816.66.5 C1位。S3位。
リトルバスターズEX7916.36.5 S5位。C3位。M3位。
さかあがりハリケーン2818.06.4 
さくらシュトラッセ7117.06.3 G1位。C3位。
水平線まで何マイル?1317.56.3 
11 eyes4416.36.2 M3位。
かみぱに!2818.76.1 
G線上の魔王13714.25.6 S1位。M2位。
暁の護衛3917.25.5 

 表5B)を見ると、全体的に平均プレイ年数が高い作品ほど、平均消化本数も多くなる傾向があります(――目立った例外は、『3Dカスタム』『Wizard's』『ハルカ』『クロノベルト』『スマガ』)。表5A)では、ベストテンの中で『Wizard's』投票者層の経験年数の高さはかなり目立つのですが、しかし他方で表5B)で比較すると、経験年数の割には消化本数が高くないという点も、実は特徴的な傾向であることが見て取れます。ここで消化本数を「PCゲームにのめり込んでいる度合い」だと解釈するならば、『Wizard's』のプレイヤー層は《経験年数は比較的高めだけれど、PCゲームにそれほど深くのめり込んでいるわけではない》ということになります。もっとも、『Wizard's』はそれなりに時間の掛かるSLG作品だという事情を考慮する必要するあるかもしれません。

 以下余談になりますが、この投票の本数及び年数のデータには、興味深い点が多々見られます。
 たとえば『リトルバスターズ!エクスタシー』投票者層の、平均を大きく下回る意外な若さ。ブランドそのもののキャリアはかなり長い筈(処女作『Kanon』は1999年発売)ですが、今回の投票結果を見るかぎりでは、ファン層の若返りに成功していると言えそうです。同様のことは、『さくらシュトラッセ』のぱれっとについてさらに強く当てはまります。該当作品投票者の経験年数分布を見ると、『さくらシュトラッセ』では投票者の半数以上が3〜6年目に集中しており、8年目までで投票者の80%を占めています。他方で『リトバスEX』は、特徴的なことに2〜5年目と 8〜9年目の2つに山があります。
 これと対照的なのがpajamas soft、PULLTOP、AXLでして、同じように一見ライトな作風であるにもかかわらず、平均年数がかなり高くなっています。ただし『ティンクル』では3〜6年目の間に投票者の40%が集中しており、実際には明確に若年層向けの傾斜があります。平均年数が高くなっているのは、年数の高い玄人にも受けているからそうなっているに過ぎません。『トライオン』9.3年と『シュトラッセ』6.3年の格差はかなり異様な光景ですが、実際には『トライオン』投票者層は各年数に万遍なく広がっています(――しかし、ピークがまったく無いというのは、これはこれできわめて異例の分布です)。しかし『Princess Frontier』は、8年目に大きな頂点(10人:全体の24%)が出来ており、確かに支持者層の年齢が高くなりつつあるようです(――Witch時代から数えればかなり長いキャリアですし)。
 nitro+とpropellerの投票者層は、プレイ年数自体は平均的なのですが、消化本数が飛び抜けています。ただし、後者はファンディスクなので「ファンディスクにまで手を出すのはもはやライト層ではない」と考える余地があります。また、この2作品には100本プレイヤーが複数入っていることが影響しています(――『Garden』の平均24.8本、『むすめーかー』の25.8本、『時間封鎖』の31.4本にも同様の事情が影響しています)。それゆえ、これらの作品の平均消化本数が多いからといって、その支持者層全体が特別に「濃い」ことを証明するものではありません。
 そのnitro+(『スマガ』)を別とすれば、得票上位陣の年数が、全体平均の値に収斂しておらず、平均を明らかに下回っているのは、面白い傾向です。なかでも『G線』の数値は特徴的で、最多得票作品であるにもかかわらず、全体平均へと均されていくどころか、10票以上得票した作品の中で平均本数が最も少なく、平均年数も『暁』に次いで下から2番目の若さです。それは要するに若年層からきわめて強く支持されているということであり、他方で経験年数10年以上の層からはあまり投票されていないということです。『G線』『11 eyes』『暁』『かみぱに!』あたりの作品は、それぞれ該当作品投票者のうち、プレイ歴10年以上の者は11.8%、12.5%、13.9%、11.1%となっています。それに対して『Wizard's』は投票者の30.1%が10年以上、『借金姉妹2』と『トライオン』は40%以上、さらに『BackStage』に至っては60%以上(24人中15人)がプレイ歴10年以上です。
 『闘神III』『Maple Colors 2』『戦女神ZERO』を見ると、非AVG作品のプレイヤーの経験年数は平均的に高いという俗説的イメージがそれなりに正しいように思われます。ただし、これらはすべて続編作品であり、その要因によって平均年数が引き上げられている可能性があるので、このデータのみから経験年数との相関を結論づけることは困難です。また、これらの中でもブランド毎に温度差(消化本数、年数構成)は異なっており、非AVG全般を強力に支持する一枚岩のファン層が存在するというわけでもなさそうです。
 ライトユーザー向けのイメージが強い『FORTUNE ARTERIAL』ですが、年数も本数も平均値に最も近い数字が出ています。年数構成を見ても、3年目から10年目までの幅広いプラトーを形成しています。Augustの強みは、「ライト層に受けている」だけなのではなくて、「あらゆる層に万遍なく受けている」ことにあるのかもしれません。マニア向けと見做されているであろうLiar-softも、『シャルノス』では意外にもごく平均的な数字が出ています。Innocent Grey(『殻ノ少女』)やminori(『ef l.t.』)についても極端に偏った数字は出ていません。これら明確な個性を持っているブランドは、その個性という独自の魅力によって売るのであって、ユーザーのプレイ歴にはあまり左右されないということでしょうか。なお、『真・恋姫』は、水平的(ジャンル嗜好)には幅広い層から支持されていますが、垂直的(年齢構成)には5〜6年目の層に強く集中しています。
 ともあれ、全体的にみて、古参ブランドであるほどファンにも年季の入ったゲーマーが多く、逆に新規ブランドの作品のユーザーは比較的若い層が多いという傾向は、ごく自然な結果だと思います。そして、経験年数の高いブランドを、「若年層にアピールできていないから今後が危機的だ」と考えるか、それとも「舌の肥えたゲーマーは満足させているのだし、有望な鉱脈をまだ掘り尽くしていないだけだ」と考えるべきかは、一概には言えません。それぞれの年齢層が、「(構成員が入れ替わらない)世代」と捉えられるか「(人的更新のある)年代」と捉えられるかにもよります。例えば『ヴァルキリー2』(平均9.8年)を強く支持したのは、おそらく特定の世代であって、年代の問題ではないと思われます。





 最後に、『Wizard's』への投票者が同時にどの作品に投票したかについても調べてみます。換言すれば、『Wizard's』を気に入るようなプレイヤーが、それ以外にどのような作品を好んでいるかということです。これについては、第一義的には、『Wizard's』に投じられた票の中で、各作品の得票ランキングを作成するということになります。作品Aと『Wizard's』の双方を挙げている票を、以下、作品Aとの「結合票」と呼びます。
 この結合票を利用した一つのアプローチとして、それぞれの作品に投じられた票の中で『Wizard's』にも投じられた票の割合を算出することができます。この割合を仮に「(その作品から『Wizard's』への)結合率」と呼びます。また逆に、作品Aとの結合票の値を『Wizard's』への投票数で除算すれば、「(『Wizard's』からその作品への)結合率」となります。ただし、こちらの結合率の順位は、当然ながら結合票の順位と同じものになりますが。「『Wiazrd's』からの結合率」は「『Wizard's』を好む人がそれぞれの作品を好む度合い」であり、他方で「『Wizard's』への結合率」は「それぞれの作品を好む人が『Wizard's』を好む度合い」を意味します。いずれにせよ、これらの値が高く出た作品は、投票に際して『Wizard's』との相性が良かった作品ということになります。
※――以下、結合票を扱うに際しては、基本的に加点の有無を無視して単純に得票数のみを考慮します。たしかに加点制得票は各作品への愛着の強さを反映しますが、投票者層の結びつきを考える場合には、作品への加点ウェイトを無視した得票制で計算する方が、実態に即したものになると思われるからです。また、得票のみによる場合には、結合票を双方向的に扱うことができるという技術的問題もあります。
 ただし、加点ウェイトをも考慮した結合票評価を行うことも可能です。たとえば作品Aに3点投票し作品Bに2点投票した票をカウントする場合、AからBへの結合票を2票分としBからAへの結合票を3票分と数える方法があり得ますし、あるいは逆にAからBへの結合票を3票としてBからAへの結合票を2票とする評価法もあり、さらには双方とも6票分とする方法(つまり2*3と3*2)も考えられます。
 なお、結合率評価には問題もあります。たとえば、100人が投票した作品Cでそのうち25人が作品Dにも投票していた場合には、CからDへの結合率は25%です。他方で、ある1人だけが作品Eに投票して、そしてその人が作品Dにも同時投票していたら、EからDへの結合率は100%になります。割合評価のみをするとこのように極端な結果が出てしまいますので、総得票数の少ないものは適宜省略しつつ紹介していきます。ただし、省略することはそれらの作品の価値またはそれらの作品への票を軽んじる趣旨ではありません。

 まずは結合票の票数順で、上位作品から挙げていきます(表6A)。

 表6A:「得票制による結合票の順位」
タイトル結合票その作品への結合率その作品への結合増分その作品からの結合率結合順位総合順位総合得票
超昂閃忍ハルカ1823.4%+6.6%23.1%1678
スマガ1620.8%-4.4%13.7%21117
戦女神ZERO1316.9%+6.8%27.1%31547
闘神都市III1316.9%+4.0%21.7%41760
るいは智を呼ぶ1215.6%-5.5%12.2%5398
G線上の魔王1114.3%-15.2%8.0%62137
漆黒のシャルノス1013.0%+1.6%18.9%7953
Maple Colors 21013.0%+3.3%22.2%71445
さくらシュトラッセ911.7%-3.6%12.7%9871
とっぱら911.7%+2.2%20.5%91944
Princess Frontier810.4%+0.5%17.4%111246
真・恋姫†無双810.4%-1.2%14.8%111654
てとてトライオン!810.4%+3.3%24.2%112633
コンチェルトノート79.1%-9.2%8.2%14485
FORTUNE ARTERIAL79.1%-5.1%10.6%141066
BackStage79.1%+3.9%29.2%142824
プリマ☆ステラ67.8%-4.7%10.3%171358
殻ノ少女67.8%+0.9%18.8%172632
かみぱに!67.8%+1.8%21.4%173040
霞外籠逗留記56.5%-2.5%11.9%201142
クロノベルト56.5%-1.5%13.5%202037
天ツ風56.5%±0%16.7%202230
暁の護衛56.5%-1.9%12.8%202339
むすめーかー56.5%+3.5%35.7%204514
リトルバスターズEX45.2%-11.8%5.1%25579
11 eyes45.2%-4.3%9.1%251844
タユタマ45.2%+1.1%21.1%253719
マジカライド45.2%+2.2%28.6%254414
水平線まで何マイル?45.2%+2.6%33.3%254612
さかしき人にみるこころ45.2%+2.6%33.3%254712
ティンクル☆くるせいだーす33.9%-4.1%8.1%352137
彼女×彼女×彼女33.9%-3.2%9.1%352833
時間封鎖33.9%+1.5%27.3%355311
エインズワースの魔物たち33.9%+2.6%50.0%35716
借金姉妹222.6%-4.5%6.1%412533
ef - the latter tale.11.3%-5.8%3.0%502433
ダンジョンクルセイダーズ211.3%-1.5%7.7%503613
プリンセスラバー!11.3%-2.8%5.3%504019
D.C.II.P.C.11.3%-2.4%5.9%504117
3Dカスタム少女11.3%-2.1%6.3%504216
朝凪のアクアノーツ00%-3.0%0%663714
毎日がM!00%-2.6%0%664312
姦染3 -首都崩壊-00%-2.2%0%664710
明日の七海と逢うために00%-2.8%0%664713
しゅぷれ〜むキャンディ00%-1.7%0%66518
総得票5以上の作品の平均4.65.1%15.6%
※――得票制での結合票獲得点数の上位20位と、総合順位上位の作品、さらにそれ以外の作品の中で特徴的な結合率の出たものを挙げている。ただし総得票数5以上の作品に限定している。「その作品への結合率」は、結合票を『Wizard's』の(得票制の)総得票数(=77)で除算したもの。同様に、「その作品からの結合率」は、その作品の結合票をその作品の総得票数で除算したもの。「その作品への結合増分」は、その作品への結合率から、総得票数から導かれる結合票率期待値を除算したもの。例えば『スマガ』は、実際の結合率は約20.8%であるが、総得票数から概算すれば{117/(2401-77)}*5*100=25.2%程度の結合率があってしかるべきであった。それゆえ増分は20.8-25.2=-4.4%である。「結合順位」は、結合票数に基づく順位。「総合順位」は加点制に基づく総合順位。「総合得票」は得票制の総得票数。最下段は、得票制得票数5票以上の作品77本の平均値(――『Wizard's』自身は除いている)。その作品への結合率15.0%以上のものを太字にし、結合率3.0%以下のものを薄地枠にした。また、その作品からの結合率25.0%以上のものを太字にし、結合率10.0%以下のものを薄地枠にした。さらに、結合順位が総合順位よりも5以上高い場合には結合順位欄を背景色金色にした。

 表6Aの結合票順位は、『Wizard's』に投票した投票者の中での総合得票ランキング(ただし『Wizard's』自身を除く)と同義です。ちなみにこれを得点制で集計すると、1位が入れ替わって『スマガ』(39点)になります。以下、2位に『ハルカ』(31点)、3位『るい智』(29点)、4位『戦女神ZERO』(24点)、5位『G線』(21点)、6位『MC2』(19点)、7位『シャルノス』(18点)、8位『闘神III』(16点)、9位『とっぱら』(14点)となります(――得点部分のゴシック体の作品は、得票制と比べて順位の上がったもの)。

 他方で、「相手方作品からの結合率」の順で並べ替えると以下のようになります(表6B)。「相手方作品からの結合率」は、結合票をそれぞれ相手方作品の得票数で除算したもので、「その作品に投票したユーザー層が『Wizard's』にも投票した割合」を示します。

 表6B:「得票制による相手方作品からの結合率の順位」
タイトル結合票その作品への結合率その作品からの結合率その作品からの結合増分結合順位総合順位総合得票
エインズワースの魔物たち33.9%50.0%+33.9%1716
5 -ファイブ-22.6%40.0%+23.9%2625
リトルウィッチロマネスク e.p.22.6%40.0%+23.9%2825
むすめーかー56.5%35.7%+19.6%44514
水平線まで何マイル?45.2%33.3%+17.2%54612
さかしき人にみるこころ45.2%33.3%+17.2%54712
戦乙女ヴァルキリー222.6%33.3%+17.2%5626
月と魔法と太陽と22.6%33.3%+17.2%5626
学園催眠隷奴22.6%33.3%+17.2%5626
BackStage79.1%29.2%+13.0%102824
マジカライド45.2%28.6%+12.5%114414
学園☆新選組!22.6%28.6%+12.5%11597
戦女神ZERO1316.9%27.7%+11.3%131547
時間封鎖33.9%27.3%+11.2%145311
SWAN SONG(廉価版)22.6%25.0%+8.9%15518
てとてトライオン!810.4%24.2%+7.9%162633
超昂閃忍ハルカ1823.4%23.1%+6.5%17678
Maple Colors 21013.0%22.2%+5.9%181445
闘神都市III1316.9%21.7%+5.3%191760
かみぱに!67.8%21.4%+5.2%203028
タユタマ45.2%21.1%+4.9%213719
とっぱら911.7%20.5%+4.2%221944
Volume722.6%20.0%+3.9%235610
漆黒のシャルノス1013.0%18.9%+2.5%25953
殻ノ少女67.8%18.8%+2.5%262632
Princess Frontier810.4%17.4%+1.1%281246
天ツ風56.5%16.7%+0.5%292230
真・恋姫†無双810.4%14.8%-1.6%381654
スマガ1620.8%13.7%-3.2%431117
クロノベルト56.5%13.5%-2.8%442037
暁の護衛56.5%12.8%-3.5%452339
さくらシュトラッセ911.7%12.7%-3.8%46871
るいは智を呼ぶ1215.6%12.2%-4.5%48398
霞外籠逗留記56.5%11.9%-4.4%491142
FORTUNE ARTERIAL79.1%10.6%-5.9%511066
プリマ☆ステラ67.8%10.3%-6.1%521358
11 eyes45.2%9.1%-7.2%531844
彼女×彼女×彼女33.9%9.1%-7.2%532833
コンチェルトノート79.1%8.2%-8.4%56485
ティンクル☆くるせいだーす33.9%8.1%-8.2%572137
G線上の魔王1114.3%8.0%-9.0%582137
借金姉妹222.6%6.1%-10.2%612533
リトルバスターズEX45.2%5.1%-11.5%64579
ef - the latter tale.11.3%3.0%-13.3%652433
※――結合票は得票制に基づく。挙げているタイトルは、総得票数5票以上で「その作品からの結合率」20%以上の作品と、総合順位30位以上の作品。「結合順位」は、「その作品からの結合率」の順位。「総合順位」は加点制での総合順位。「総合得票」は得票制の総得票数。その作品からの最多票結合相手が『Wizard's』である場合には、そのタイトル欄を背景色金色にした。ちなみに、『リトロマep』からの最多結合相手は『霞外籠』(3票:60%)、『ヴァルキリー2』からの最多結合相手は『ハルカ』(4票:67%)。『学園催眠』からの最多も『ハルカ』(4票:67%)。『マジカライド』からの最多は『コンチェルトノート』(5票:36%)。

 これだけの乏しい情報で何かを言うことは難しいし、また無理に言おうとすべきではありませんが、それでもいくつかの傾向が現れているように思われます。このデータから推測されるソフトハウスキャラユーザーの一般的な嗜好(かもしれないもの)は、以下のとおり。

 ・「ゲーム性のある」作品(またはそのようなブランド)を好んでプレイする(表3C]も参照)。
 ・平均経験年数の高い作品との結合率も高い(――表5B]参照。ただし、因果的とは限らない)。
 ・alicesoftも大好き(――4人に1人弱が『ハルカ』にも投票している)。
 ・開放的で穏やかな娯楽作品にも親しんでいる(――『とっぱら』や『トライオン』など)。
 ・状況設定が凝っているものも好物(――『Backstage』『スマガ』『時間封鎖』)。
 ・やはり異種族萌えなのか(――『とっぱら』『タユタマ』『エインズワース』)。
 ・他作品への結合率は、高からず低からず万遍なく。雑食派?(――表6A]参照)
 ・アダルト要素の強い作品への結合傾向は、やや弱め。ハーレム志向もとくに見られず。
 ・アダルトシーンの嗜好はS寄りと思われる(――他方で『毎日がM!』との結合は0票)。

 ・売れ行きの良い作品や得票上位作品との結合率が低い(――かなり特徴的)。
 ・とりわけ若年層に受けている作品群からは大きく距離を取っている(表5AB]との比較)。
 ・壮大な物語や劇的な緊張感はあまり好まれていないのかも(表3C]も参照)。
 ・動作環境要求が高いor高そうなものには手を出したがらないのかも(――『ef』『クルくる』)。
 ・『Maple Colors 2』とは親しいのに『彼女×彼女×彼女』とは疎遠。すこし不思議。
 ・Liar作品との相関はほぼニュートラル。意外だが、腑に落ちるような気もする。


 総じて『Wizard's』への投票は、どれか特定の作品へと強く結びつくという傾向があまり見られませんでした。上に示した表6A)では『Wizard's』からの結合率が高い作品を上げていますが、それらとの結びつきも比較的穏健なものにとどまっています。他作品同士では30%、40%といった結合率が出現しますが、それに比べるとかなり緩やかなものです。
 また、上では『ef』との疎遠さを指摘しましたが、このような例はけっして珍しくありません。得票上位作品の間でも、互いの結合票が0である作品すら存在します(――例えば『リトバスEX』と『霞外籠』、『コンチェルト』と『借金姉妹2』、『暁』と『とっぱら』、『FORTUNE ARTERIAL』と『天ノ風』など)。
 さらに、総合得票上位陣との結合率が総じて低いのも特徴的です。総合上位5作品への結合率はいずれも、総得票率から導かれる期待値を大きく下回っています(――『Wizard's』自身を除く上位10作品のうち、実際の結合率が期待値を上回っているのは『ハルカ』『シャルノス』の2本のみで、残り8本は下回っています)。そしてその分は、得票数の少ない作品とさまざまなかたちで連動しています。標準偏差をとって調べれば判りますが、この『Wizard's』は、結合票の分布が最もなだらかな作品の一つです。そしてそれは、この作品がほんとうに幅広い層に受け入れられているということの証明です。

 得票制得票数30以上の作品のうちで結合票の偏りが最も小さいのは、(意外なことに?)『スマガ』です。つまり、様々な作品の支持者と柔軟に結びつき、広汎に評価を得ているということです。『Wizard's』のそれも、『スマガ』とほぼ同水準にあり(僅差の2位)、少し離れて『とっぱら』と『Princess Frontier』がそれに続きます。『霞外籠』も、相手を選ばず多種多様な作品と結合しています。『とっぱら』の場合はおそらくその癖の無さのゆえに、他方で『霞外籠』はそのマニアックさゆえに、既存の特定のカテゴリーと結びつかないのでしょう。
 逆に結合票の傾斜が大きい作品を順に挙げると、『暁』『11 eyes』『クロノ』『ef』『コンチェルト』『ティンクル』となります。とりわけ『暁』は極端で、『G線』への結合率は51.3%、つまり『暁』に投票した人の半数以上が同時に『G線』にも投票していたということです。同様に、『11 eyes』は『G線』に対して40.9%(――他方で『スマガ』に対してはわずか4.6%)。『クロノ』は『スマガ』に対して35.7%(――それ以外はごく普通)。『コンチェルト』も42.4%が『G線』へ、34.1%が『るい』へと結合しています。『ef』や『さかあがり』は、特定の作品との強固な結合があるというよりも、得票ベスト5との間に大規模な結合が生じており、正統派の嗜好が窺われます。また『ティンクル』も、特定作品との強い結びつきはありませんが、マイナー作品(得票数15以下の作品)との結合が極端に少ないという特徴が見られます。
 さらに『リトルバスターズEX』『戦女神ZERO』は、結合票の標準偏差それ自体はやや高い程度ですが、結合相手の少なさにおいて際立っています。つまり、同時投票された作品の種類が少ないのです。得票5票以上の作品78本で見た場合、『リトバスEX』(79票)は49作品(つまり77本中の63.6%)のみと結合しているのに対して、『ハルカ』(78票)および『シュトラッセ』(71票)は55作品(つまり71.4%)と結合し、『Wizard's』(77票)に至っては65作品(84.4%)と結合しています。同様に、『戦女神ZERO』(47票)が45本の作品のみと結合しているのに対して、『Maple Colors 2』(45票)は49本と、『Princess Frontier』(46票)は53本と、『霞外籠』(42票)は54本と、『シャルノス』(53票)は56本と、『とっぱら』(44票)は62本と、それぞれ結合しています。『11 eyes』(44票)の結合相手もわずか42本です。これらの事実は、『リトバスEX』『戦女神ZERO』『11 eyes』が確かに「人を選ぶ作品」である実態を反映しているように思われます。
 同一メーカーまたは系列メーカーの間では、結合率が高めになる傾向があります。たとえば『シャルノス』と『霞外籠』、『暁』とそのFD、『Maple Colors 2』と『彼女×彼女×彼女』など。しかし他方で、アトリエかぐやの『プリマ☆ステラ』(Berkshire Yorkshireブランド)、『毎日がM!』(HonkyTonk Pumpkinブランド)、『DUNGEON CRUSADERZ 2』(TEAM HEARTBEATブランド)の三者間ではそれぞれ結合票が皆無という驚くべき結果が出ています。作風に応じてユーザー層が分かれたのでしょうか。
 アダルト要素の比重が大きいとされる作品(以下、「強度アダルト作品」と呼ぶ)への結合傾向についても、明白な傾斜が見られます。『借金姉妹2』『こっすこす!』『プリンセスラバー!』のような強度アダルト作品は、それ自身以外の強度アダルト作品への(相互)結合もきわめて密接なのですが、他方で『11 eyes』『ef』『かみぱに!』『タユタマ』のように、強度アダルト作品への結合が極端に希薄な作品もあります。強度アダルト作品を受け入れるか否かに関しては、PCゲーマーたちの間で少なからぬ嗜好の違いがあるように見受けられます。同様に「ゲーム性のある作品」同士、「シナリオ評価の高い作品」同士、「萌え特化作品」同士にも相互結合傾向は見られますが、「強度アダルト作品」に関する結合-疎隔が最も顕著です。
 これらのほか、結合率の高い組み合わせとしては、『キラ☆キラ C.C.』から『G線』へ(7人中5人)、『ほしうた』から『スマガ』へ(7人中5人)、『ヴァルキリー2』『学園催眠』から『ハルカ』へ(6人中4人)、『リトルウィッチロマネスク e.p.』から『霞外籠』へ(6人中4人)、『ツナバン☆らぶみくす』から『Coming×Humming!!』へ(5人中3人)、『D,C.II.P.C.』から『リトバスEX』へ(17人中9人)、『戦極姫』から『真・恋姫』へ(6人中3人)、『プリンセスラバー!』から『とっぱら』へ(19人中8人)などがあります。偶然もあるのでしょうが、面白いものです。
 ユニークな例として、『Coming×Humming!!』(投票者数12;結合票39個)は、総合上位3作品との結合票が一つもありません。さらに『ツナバン☆らぶみくす』(投票者数5;結合票17個)に至っては、ベストテン作品との間に結合票が一つも存在しないというきわめて特異な投票傾向が見出されます(――結合票のある最上位の相手が、得票制12位の『Princess Frontier』。その次が21位の『ティンクル』)。
 「他作品への結合率」とは逆に、「他作品からの結合率」(の偏り)を見ることもできます。つまり、他作品の支持者層から強く注目されていることがあるかどうかの基準です。当然ながら、他作品からの結合率は、上位作品ほど高くなる傾向にありますが、『シャルノス』『霞外籠』『借金姉妹2』はその順位に比して強い結合を受けることが多く、また他方で『コンチェルト』『FORTUNE ARTERIAL』『戦女神ZERO』『とっぱら』『トライオン』『クロノ』には特定の他作品支持者からの強い結びつきが見られません。『Wizard's』は、自分からの結合率は総じて低めですが、他作品からしばしば強い結合を受けているという、風変わりなスタンスです(――とりわけ他社SLG作品から。そして下位作品のいくつかから)。『シャルノス』もこれと同じようなスタンスですが、しかし当の『シャルノス』と『Wizard's』との間には、ごく平均的な結びつきしか存在しないというのも面白い現象です。


 最後に、『Wizard's』に3点票を投じておられる3人の投票者の投票内容を引用しておきます。つまり、2008年発売作品の中で『Wizard's』に最高の評価を与えた方々の選択です(――括弧内の数字は加点票。タイトルのリンク先はそれぞれのメーカー公式サイトです)。『Wizard's』が大好きだという人々にとっては、とりわけ注目に値する投票内容だと言えます。

 A氏(13本/7年)の投票
ウィザーズ・クライマー(3)Pとっぱら(2) G線上の魔王SC
マジカライドCPプリンセスラバー!GH  

 B氏(10本/10年)の投票
ウィザーズ・クライマー(3)CP戦女神ZERO(2)SCとっぱらCG
      

 C氏(22年)の投票
ウィザーズ・クライマー(3)SP戦女神ZERO(2)Pつくして!? MyシスターズSC
月と魔法と太陽とSC毎日けだものっ!!MHてとてトライオン!CG


 このような結合率分析は、当然ながら『Wizard's』以外の作品を対象として行うこともできます。別掲ファイル「votes2008.zip」内のデータを操作すれば、各作品について同様のリストを容易に算出できる筈です(――ただし、その作品の獲得票総数が少なくなるのに応じて、結論も曖昧なものになりますが)。また、結合票以外の枠組を導入してさらなる分析を試みることも可能でしょう(――ただし本稿では、ごく初歩的な数学的操作のみによる単純なアプローチにとどめました)。
 この結合率アプローチは、『Wizard's』を高く評価したプレイヤーたちの趣味志向の傾向を窺い知るだけではなく、『Wizard's』プレイヤーにとって相性が良いかもしれない作品をピックアップするものでもあります。『Wizard's』を高く評価した人たちが同時に高く評価する傾向にある作品群は、『Wizard's』を楽しむような人々の趣味に合致する可能性が高いであろうと思われます。それゆえ、表6AB)は、「『Wizard's』を楽しめたようなゲーマーが、これからプレイすると楽しめるかもしれない、お薦め作品リスト」として見ることができます。
 ただし、言うまでもないことですが、結合率が低いからといって「品質が高くない」あるいは「キャラ社ファンには楽しめない」とは限りません。ひとの趣味はそんなに固定的でもなく偏狭でもない筈ですから。そしてまた、結合率が高いからといって、実際にキャラ社ファンがその作品に満足できるとは限りません。ひとの趣味はそれほど多様な筈ですから。さらに、この投票が一人あたり最大6本の「ベスト」投票であったことも意識されねばなりません。ベストではないが一定の満足を得た作品や、あるいは逆に不満足であった作品は、ここには反映されていません。つまり、この投票は「その作品を強く支持する人々」を表現するものではあっても、「その作品のユーザー層全体」を示すものではありません。
 また、このデータそのものが公正に投票され集計されたかどうか、私には判断できません。ただし、表5AB)の投票者層のデータは、各ブランド(の支持者層)に対して私が持っていたイメージに、比較的素直に合致します。また、表6B)の上半分と下半分を見比べて、個人的にプレイしてみたいと思う作品がより多く含まれているのは、やはり上半分(つまり結合率の高かったもの)です。この投票結果は、PCゲームプレイヤー層の実状と各作品の内容を、案外的確に反映しているのではないかと感じられました。むしろ問題なのは、データ数が十分でないにもかかわらず、そうした不確かな部分にまで本稿が恣意的な評価を下していないかという点です(――ここで用いている統計操作それ自体も、必ずしも厳密なものではありません)。
 なお、この投票結果は、小売店での売上ランキングや雑誌の人気投票とは大きく異なっていますが、この相違をどのように考えるべきかは私には分かりません。少なくとも母集団が異なるという点は確かでしょうし、そしてそれゆえこの投票結果も(いかに公正な投票であったとしても)あくまで限定的な範囲での事実を表しているにとどまるということは認識されるべきでしょう。





 感想など。
 ことわっておきますが、私はこの投票には参加していません。それどころか、2ch/bbspinkに書き込みしたことが一度も無いくらいです(――閲覧したことが無いとは言いませんが)。しかし、自分以外のキャラ社ファンはどういう人たちなのだろうかという思いは以前から持っていたので、今回こういう投票があったことを知ったのをきっかけに、思い切ってこの投票結果を題材に取り上げてみました。各方面への非礼が無いことを祈るばかりです。
 しかし、こうして投票内容を検討してみた結論は、とても喜ばしいものでした。きっと根は真面目な方々で、精神的なキャパシティもあって、しかし自分の好みははっきりしていて、たぶんユーモア好きの楽しい方々ばかりなんだろうな、と思います。まるでキャラ社作品の主人公たちのように。そしてまた、年季の入った猛者がたくさんいらっしゃるということも知らされました。そういう隠れた巨人たちがたくさんいるにもかかわらず、うちみたいないいかげんなサイトを開いているのは、無謀な蛮勇と言われるべきなのかもしれません。

 謝辞。
 投票者の皆様と、集計サイト管理者「カレー好き集計人」氏に、深く御礼申し上げます。本稿では、今回の投票結果を「統計」としていろいろ操作してしまいました。その振舞いはもしかすると投票者諸氏に対して失礼であったかもしれません。しかしそれは、私(たち)がPCゲームの新たな良作に巡り会うきっかけを探そうとしたためのことであり、その点において今回の投票企画の精神に反していないことを願うばかりです。
 この検討記事の作成に際しては、とある方からたいへん貴重なアドヴァイスをいただきました。ここでお名前は挙げることは差し控えますが、この場を借りてあらためて御礼申し上げる次第です。


 最後の最後に、もしも私が投票していたなら――換言すれば2008年発売作品の中で6本を選ぶなら――どの作品を挙げただろうかを考えてみました。2008年はあまり新作をプレイしていなかったため、十分な数の候補作を持っていないのですが、たぶんこのあたりを挙げただろうと思います。
Wizard's Climber(2)MP蒼海の皇女たち(2)GマジカライドGP
ファンタジカルSCワンダリング・リペア!HP殻ノ少女G
 自制して完全新規新作のみに限定しましたが、旧作リメイクを含むなら、『少女魔法学リトルウィッチロマネスク editio perfecta』(MP)や『片恋いの月えくすとら』(HG)をどれかと差し替えたいところです。『ヴェルディア幻奏曲』(GM)も良いけれど、まだコンプリートしてないので保留。でも、今回の投票結果で加点率250%なのはけっして伊達ではありません。とても良い作品ですよ。ともあれ、この6本について、今回の投票結果および結合率を書き出してみると、
タイトル総合順位総合得票結合得点結合票結合票順位『Wizard's』への結合率
マジカライド4414742528.6%
殻ノ少女2632761718.8%
リトルウィッチロマネスク e.p.825224040.0%
ワンダリング・リペア!914215125.0%
蒼海の皇女たち912215150.0%
ファンタジカル00
 ……って、『ファンタジカル』0票だったのか! 面白いのに! ……いやともかく、結合率がかなり高いので、私のセンスはキャラ社ファンの標準的メンタリティをそれほど外れてはいないと考えてよい筈……です、たぶん、もしかしたら。とりあえず、結合率順位(表6A]と表6B])を見ながら、『エインズワース』とか『とっぱら』とか『BackStage』あたりを買ってみようかn……そうか! 投票って、こういう効用があるんだ! ていうか『エインズワース』ってこんな絵なのにアイルなんだ! しかも高槻つばさ氏が出演してる! うわぁい! また「田端さん」の中の人の演技を聴ける!

※――後日追記。『エインズワース』と『とっぱら』をプレイしました(→感想)。





 このページの各データは、冒頭にも記したとおり、ウェブページ2chエロゲネタ&業界板 ベストエロゲー投票に依拠しています(※2009年1月21日取得)。ここで記載している各数値は、左記サイトで公開されているデータから、ごく簡単な関数操作で取り出したもので、再現は容易な筈です。別掲ファイル「votes2008.zip」(約36KB)も御覧下さい。また、このページのデータを利用(編集や再計算)したい場合には、テーブル全体を範囲選択してExcel等にコピペするだけでも、すぐに使えます。


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